文化的景観のある世界遺産の話
こんにちは、太太です。
なんだか色々不安になってきたので「世界遺産検定2級公認テキスト300」を購入しました。地理の勉強って世界遺産必要?うーん、わかんないけど買っちゃった。2,000円でした。
今日は文化的景観のある世界遺産を中心に勉強します。
①紅河ハニ族棚田群の文化的景観(中国 雲南省)
水田というと真っ平らな場所で行われるイメージがありますが、中国の南部・雲南省では棚田で大規模な稲作を行っています。
亜熱帯の地域で年間の降水量が1,400mmにも達する場所で暮らすハニ族は、独自の灌漑システムをつくり、山頂から山麓にかけて用水路を設置しました。この景色が世界遺産なのです。
紅河ハニ族棚田群の文化的景観は、2013年に中国の文化遺産として世界遺産登録されました。1300年にわたって受け継がれてきている棚田は、166平方キロメートル、3,000段にものぼります。
②杭州にある西湖の文化的景観(中国 浙江省)
中国には杭州と広州の2つがあり、杭州は浙江省にあり、上海までは200km弱の距離です。広州は広東省にあり、香港から120kmほど場所です。
西湖は浙江省杭州にあり、2011年に文化遺産として登録されました。杭州は13世紀に南宋が首都を置いた都市であり、独自の文化が栄えました。
西湖は、日本や韓国の庭園設計に影響を与えています。わかる気がします。
③ムスカウ公園ムジャフク公園はドイツポーランドの世界遺産
ドイツとポーランドの国境を流れるナイセ川の両岸に広がる公園が2004年に文化遺産として登録されました。ドイツ側はムスカウ公園、ポーランド側はムジャクフ公園と呼ばれています。19世紀末、ムスカウ伯爵が作ったのですが、第二次世界大戦後に国境(川)で分断されてしまったのです。
ムスカウ公園とムジャクフ公園はイギリス式で設計されており、公園設計の模範となりました。
④イギリスの湖水地方はピーターラビットの舞台にもなった景勝地
イギリスの北西部に位置する湖水地方は、氷河時代の痕跡が残り、渓谷沿いに多数の湖が残っています。
この地ではイギリスの牧歌的な雰囲気は、ビクトリアス・ポターの「ピーターラビット」作品から垣間見ることがでいます。
⑤スイス連邦ラヴォー地域のぶどう畑
スイスというとチーズのイメージですが、スイスのぶどう畑が2007年に世界遺産の文化遺産に認定されました。
レマン湖のほとり、ローザンヌからシヨン城までの30kmに渡り、ぶどう畑が広がっています。
この一帯にはワイナリーが広がり、スイス国民の食を支えています(ほとんど海外には出回らないらしい)。カトリック修道会のベネディクト会とシトー会が指導し、ワイン生産が行われています。
⑥アルト・ドウロのワイン生産地域(ポルトガル)
ポルトガルというとポートワイン。甘くてお手軽で女性に人気の味です。
ポートワインは、ポルトガルの北部のアルト・ドウロ地域で生産されており、ぶどうの絞り汁はドウロ(ドゥエロ)川下流のポルトに運ばれ、ポートワインとなります。
世界遺産認定は2001年です。この地では2,000年以上前からブドウ生産が行われています。
⑦バティールの丘(パレスチナ自治区)はオリーブとワインの土地
エルサレム南部に位置するバティールの丘は、渓谷の中の段々畑でブドウが栽培されています。イスラエルがこの地に分離壁の建設を予定していることから、2014年に緊急的登録推薦で世界文化遺産に登録されました。危機遺産です。
⑧メイマンドの文化的景観(イランイスラム共和国)
イラン中央山脈の南側に位置するメイマインドは、春と秋には一時的な住居を構え山での生活を行います。冬の間は渓谷へ降り、洞窟住居で暮らすというスタイルをとっています。
遊牧や移牧ではなく、季節に応じて住み分けるメイマインドの村人の生活スタイルは、2015年に文化遺産として認定されました。
⑨コロンビアのコーヒー農園の文化的景観
コロンビアはアンデス山脈中西部で100年以上に渡ってコーヒー栽培が行われています。その景観を守るため2011年に文化遺産に登録されました。
⑩ビニャーレス渓谷はタバコの山地(キューバ)
ビニャーレス渓谷はキューバ最西端にあり、石灰岩の岩山や洞窟が点在しています。モゴーテと呼ばれる断崖では、先住民や奴隷が隠れ家として住んでいました。その地では、岩絵や鍾乳石もみられます。また、独特の木造家屋もあります。
この地ではタバコの栽培も盛んです。
⑪カリオカの景観(リオデジャネイロ)
カリオカの景観(ブラジル リオデジャネイロ)は2012年に文化遺産に登録されました。カリオカとは、ブラジルのリオデジャネイロ市民、および出身者のことを指す言葉で、はまっ子や道産子みたいなものです。
リオデジャネイロは1960年にブラジリアに遷都されるまでは首都だった都市です。1931年にはブラジル独立100周年記念でキリストの像が建設されました。
⑫世界初の文化的景観が認められたトンガリロ国立公園(ニュージーランド)
トンガリロ山とナウルホエ山、ルアペフ山の3つの火山が点在しているトンガリロ国立公園(ニュージーランド 複合遺産)は、1990年に文化遺産に登録されましたが、ニュージーランドの自然とマオリの聖地を考慮し、1993年に複合遺産になりました。
⑬リヒタースフェルドの文化的及び植物学的景観(南アフリカ)
2007年に文化遺産に登録されたリヒタースフェルドの文化的及び植物学的景観(南アフリカ)は、この地に暮らすナマ族の暮らしと自然環境を含みます。
ナマ族は2,000年以上に渡って半遊牧的な生活を送ってきました。その暮らしを見守り、自然を守るのが世界遺産認定された理由です。
⑭聖山スレイマン・トー(キルギス)
2009年に文化遺産に登録された聖山スレイマン・トーは、キルギスにある山です。シルクロードを旅する人にとって灯台のような役割を果たしていました。
民間信仰とイスラム教信仰が混在し、5つの峰と山腹には、古代の耕作地跡や洞窟群、16世紀に再建されたモスクなどが残っています。
⑮リュウゼツランの景観とテキーラ村の古式産業施設群(メキシコ)
リュウゼツランはテキーラの材料になる植物で、メキシコ人の生活に欠かせないものになっています。
メキシコ中西部のテキーラ地方に広がるアオノリュウゼツランの風景、トラン文化の遺跡、テキーラ上流施設などが文化遺産に登録されました。 リュウゼツランは先住民によって2,000年以上前から栽培されています。